【行動心理学】なぜ株式投資の売買技術は上達しにくいのか?

こんばんは、株リーマンです。
本日2つめの記事です。
この記事では、「なぜ株式投資の技術は上達しにくいのか?」というテーマについて書きたいと思います。
本記事のヒントになった本はこれです。
投資の行動心理学という書籍で、なんとも興味をそそるタイトルなのですが、洋書によくありがちなダラダラと理論が並べられている本でした。とても本質を掴みにくかったので、初心者の方には正直オススメできない本です。。
ただ、どんな本にも必ず学ぶべき部分はあるもので、この書籍からも実は大事な事を学ぶことができました。
それが冒頭で述べた、株式投資の売買技術が上達しにくい理由です。
株式投資の売買技術が上達しにくい理由
いわゆる、受験勉強や資格勉強は、勉強時間に比例して、知識も経験も増えていくので、結果がついてくると思います。しかし、株式投資は、もちろん知識や経験は必要ではありますが、それを積み重ねたからと言って結果が出るかというと、そうではないのが現実です。
それはなぜなのか?
それは、正しい学習モデルを構築しているか、していないか、ということだと思います。
具体的に説明していきます。
この書籍の著者が言いたいことは、簡潔に言うと、行動心理学に基づいた「正しい学習モデル」を株式投資でも構築しましょう、ということでした。
行動心理学における学習モデル
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、行動心理学における学習モデルはざっくりと次の3ステップで表すことができます。刺激 → 行動 → 結果
これを繰り返して、人は学習していくわけです。
例をあげます。
■事例1
ある時、外出中に突然雨が降ってくるとします。
そのときに手元に傘を持っていなかったので、近くにコンビニを探しますが見当たらず、ずぶ濡れになってしまいます。
そして、次は折りたたみ傘を鞄に入れて外出しようと考えます。
これを行動心理学で分析すると、雨が降ってくる(刺激)→ 傘を探すが見つからない(行動) → ずぶ濡れになり、折りたたみ傘を鞄に入れておこうと思う(結果)となります。
人は、子供の頃から、この学習モデルを繰り返して、様々な事を学んでいきます。
つまり、失敗事例から、色々な考え方を学んでいくのです。
ところが、株式投資は、この学習モデルがうまく機能しにくい状況にあります。
理由は簡単、一回一回の刺激に対する行動において、100%の正解はないからです。
株式投資で学習モデルが機能しにくい理由
株式投資では、ある刺激に対して、本当は正しい行動をしていたとしても、結果が逆になる可能性があります。その時に人はどう思うか?
自分のとった行動は「間違っていた」と思うわけです。
■事例2
保有株が下落しているとします。
損失が膨らんできたので損切りをしたとします。
しかし、その後に、株価はストップ高をつけてしまった。
こんな事例、経験ありませんか?
でも、この行動が間違っているかと言うと、そうではありません。
■事例3
保有株が下落しているとします。
損失が膨らんできたので損切りしたとします。
すると、その日は暴落日であって、その後に株価はストップ安をつけてしまった。
こんな事例もあります。
これは資産を守れた事例です。
株式投資は、1回1回の事象に焦点を当てた場合、必ずしも正しい行動が良い結果を生むとは限りません。
でも、自分のお金のことになると、冷静な判断が下せなくなり、1回の損失を引きずってしまい、泥沼に落ちていってしまうのです。
株式投資で学習モデルを機能させるためには
実際には、一貫した行動を繰り返していき、回数を増やしていくと、統計的に、その行動が正しい(資産を増やすためには効率的)と言える場合があります。この事に気づいて、1回の事象に惑わされずに、同じ行動をとり続けることができるのか?
具体的に言うと、自分の売買ルールを何度も何度も繰り返して、「刺激」に対する自分の「行動」を一貫性を持って起こせるか?
その行動によって、統計的な結果を導く事ができるのか?
これができて初めて、自分の売買ルールが市場に通用する、という学習ができるのではないかと思います。
まとめ
世の中には、様々なノイズが溢れています。世界情勢ニュースやら、投資顧問のアドバイス、色んな人のブログ、その他ファンダメンタル的な楽観論、などなど。
それらに惑わされて、自分の行動がぶれてしまうと、結局、得られた結果は何の意味も持ちません。
結果が、「勝ち」だったとしても、自分の売買ルールに基づいた結果ではなく、たまたま仕入れたニュースに基づいて行った売買の結果であれば、それを次の売買に活かすことはできません。
売買技術を鍛えていくとは、自分のルールに基づいた売買をして、その結果をもとに、勝ちやすいスタイルを磨き上げていくことだと思います。
売買根拠を、自分でコントロールできない「何か」にしてしまった時点で、得られる結果は、次に活かせない情報になってしまい、学習することができません。
学習することができないと、どうやって投資をしたら良いかが分からず、不安になります。
不安になると、さらに様々な雑念に惑わされて、売らなくて良いところで売ってしまったり、買わなくて良いところで買ってしまいます。
そして、これらの事は、私の1年前の状況に非常に酷似しています。
何を信じて売買して良いのか分からなくなり、ポジションを持っても迷いばかり。
結果、ちょっとしたふるい落としに売らされてしまう、そんなダメ投資家でした。
1回1回の売買から学ぶためには、まず、軸となる売買ルールを決めること。
そして、それを遵守すること。
その行動の結果を反省して、売買ルールに反映すること。
そして、また売買ルールに基づき、トレードすること。
この繰り返しで、投資スキルは向上していくと思います。
書いてみれば当然のことですが、これを抽象化し、行動心理学という観点を加えたのが、本書「投資の行動心理学

この本、もっと簡単に噛み砕いて書けば、もっと売れるのにな、と思いました。
ご興味があれば、どうぞ。でも、読みにくさは覚悟してくださいね。
株リーマン
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